2007-01-01から1年間の記事一覧

メリークリスマス

父ちゃんの背中に未来予想図がビッシリ! 泣きすがる両親を説得してでも吸いたいチューブがある ジャンボ俳句 それでは正解の分かった方は手前のヌチョーッとしたボタンを押して下さい。 出っ歯占い [出っ歯のあなた・・・気色悪いよ] クイック・クイック・祖母…

虚無虚無

yanokami「じゃあジャンボすごろくやりまーす」 どんぐりまなこに黒装束 ハンチングキャップに足元フラフラ 一休さん「重い! 重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い重い…

非常によいゾンビです

浩一さん・2

もう小学生の頃からつるんでる連中なんスよ。俺等。みんなで馬鹿やってたらいつの間にかオッサンになってたっつぅか。ありえねぇスよ。もう四十二スよ? 馬鹿ばっか。みんな。 中でもみんなの兄貴分としてしたわれてる浩一さんってのがいて。浩一さんに俺、…

浩一さん

俺。大体のことは浩一さんから学んだ。 浩一さん。男。心底。俺達の周りで一番重い物持てたの、浩一さん。 一番遠くまでボール放れたの、浩一さん。 浩一さん。本当格好いい。男。 浩一さん。一回だけ、人前で泣いた。 オイオイ泣いた。浩一さん。 キッスが…

MUSIC

父から貰ったクラリネット片手に行くは四菱銀行 兄から貰った革ジャンパーに 姉から奪ったパンティストッキング 母の手作り弁当をかかえ 自動ドアがすぅと開きききすぎた空調の冷気が外へ流れ出す俺のただならぬ雰囲気に蒼ざめる女子行員怯える客達をよそに …

或る男

世界のすべてに絶望した男。世界のすべてに絶望した男はひとり淀んだ川を眺めていた。世界で一番哀しい川。悪くない。靴を脱ぎ欄干を乗り越え橋のへりに立ち、空を見上げる。厚い雲が一面を覆い、太陽は見えない。悪くない。「うふふ」橋の上に少女がひとり…

つい踊ってしまった者

「こぶとりじいさん」のことはきっと誰でも知っているはずだが、そのストーリィを皆さんは憶えているだろうか。私が「こぶとりじいさん」にはじめて触れたのは、幼稚園の授業のなかで聞かされたものだったと記憶しているが、私の通っていた幼稚園では、こと…

説明します

まず簡単なルールから説明いたしますので。 それぞれ各チーム二列、説明いたしますので。二列に並んで頂きまして、後方の列の方が棒を持、説明いたしますので。前列の皆様は相手チームの攻撃を防、説明いたします。棒を落としてし、それも説明いたしますので…

メッセージ

書籍CD漫画弁当箱ペットボトル紙屑等の瓦礫に綺麗に空いた人型の空間から世界に向け私が送るのは愛のメッセージ。届きますか?ませんか?一日中自室に篭もりただ呼吸し飯を喰うだけのこんな私でも祈ることぐらいは出来るのだということを証明すべく昨日から…

BOCCO No.5

「どうやら座敷ぼっこが五人居るらしいな」 夏休みが明けたばかりの教室に集まった生徒たちの、久しぶりの笑顔を眺めながら教師がつぶやいた。 「先生、座敷ぼっこってなあに?」 真っ黒に日焼けした顔から真っ白な歯を覗かせて、活発な生徒たちの中でももっ…

職業

それ用の台座に座って係員の指示を待つ間、これでも飲んでいて下さい、と渡されたコーヒーがずいぶんと薄く、しかしこんなところでコーヒーの味についてあれやこれや言うのも少し野暮なんじゃないかと思い、黙って啜った。しばらくすると、大きなポリ容器を…

アイ・ラブ・ユー, 雪国

ちょっとね、汽車に乗りたいって思っちゃったわけ。思いついたら即動きたいのが僕ですから。すぐ買った。特急のきっぷをパーッと買っちゃった。すぐに荷物まとめてさ、飛び乗ったの。汽車にね。気分はもうアレだよね、上京。思い出すよねやっぱ。ひとりぼっ…

涼宮ハルヒの雪国

「……ウソだろ、おい」 トンネルを抜けると、そこは雪国だった。 もちろん、今は四季の中で俺がもっとも避けて通りたい、なかったことにできるのならばそれに越したことはない、うららかな春をよりいっそう満喫するためにわざわざマイナス地点からスタートさ…

小耳

ちょっと小耳に挟んだ話なんですがね。これが困ったことに、え、この話、先週小耳に挟んだんですが、この話が小耳にうまい具合に挟まって、取れないんですよ。耳のこの、裏? 奥? や、小耳、ですね。小耳に。うまいことスコーッと挟まって、取れやしない。…

堀へ

「本場のモンゴル相撲を見せてやるッス!」 と言い残しこの町を飛び出した堀よ。勢いに負け盛大に送り出してやった我々ではあったが、堀はモンゴルについても相撲についても全くの無知のはずで、そもそもどこの誰ににその本場のモンゴル相撲を見せつけに行っ…

病室

病室のベッドから自力で起き上がることすらままならない俺に、気休めのつもりか何なのか、妻が持ってきたのは大きなメスゴリラのぬいぐるみ。ぬいぐるみにオスもメスもないが、頭部にピンク色のリボンが縫いつけてあるので、これはメスなのだろう。昔から妻…

崖の上から失礼致します。先日、お話ししました「赤色老人」の続きなのですが、あの話、さらに後日談がありまして。結局、青年は、老人を山に置き去りにして、御妙寺院の婆に言われていた通り、一度も振り返ることなく走り逃げたのですが、山道の途中にあっ…

ふかふか

「ほう、これが」「ああ」「確かに」「ふかふかだろう」「ああ、ふかふかだ。思っていた以上にふかふかだ」「思っていた以上にか」「ああ、すごくふかふかだ。でも、噛むのだろう」「噛むんだ。ちょっと気を抜いた隙にがぶー、さ」「危ないな」「ああ、すご…

爺婆

昔々あるところにお爺さんとお婆さんがおったそうだが今回それはどうでも良い。私は今大変腹立たしい気持ちでいっぱいであり、今日はそのことについて話したい。昨日の昼頃、私はいつも利用している地下鉄に乗り込むとそこにお爺さんとお婆さんがおったそう…

会議

まずはそのそれぞれ配ってある資料を見て頂きたい。まあ資料と言っても、一昨日のスポーツ新聞を引き破いてランダムに配布しただけなので、資料とは言えないが。 さて、今回わたしが提案したテーマ、まあテーマと言っても先程わたしがワープロで適当にキーを…

買います。

あき竹城のブロマイドと お忍びで来日したレニー・クラヴィッツが初めて立ち寄った浅草神社で手を組み合わせ祈っているところに「バッキャロお前、ここじゃこうやっておいのりすンだよお前」と教えてくれた地元の老人と意気投合、そのまま近くの一杯飲み屋で…

買います。

あき竹城のブロマイドと 「今日はひとりでバッカバカ釣ってやる」と意気込み河口湖へ向かった糸井重里が道中立ち寄ったドライブインで若いヤクザ数人に囲まれ、「その釣り竿、俺の竹竿と交換しろ」とスゴまれたり「お前の釣った分の80%は俺等の取り分な」と…

包丁一本

気が付けば、今俺は準決勝のリングの上に居る。 偶然インターネットで見つけた「大会概要」にはこうあった。「素人さんは武器を『ひとつ』だけなら『なんでも』使って良い」 一風変わったバーリトゥード・ルールに勝機を見出した俺はつい勢いで「参加申し込…

永百輔の ビッグ・バッド・人生訓 #1

『なぁおっさん、学校で習う物事に意味はあるのかい? 俺は虚しくてしょうがないよ。もしあの無益としか思えない時間に何某かの意味があるのなら、俺に教えてくれよ。 p.s. 毎号楽しみにしてるぜおっさん! 木更津市 沼小路浩二』 最初にひとつあなたに申し…

ぬらぬら相撲 #1「二十一世紀型」

まったく二十一世紀になったというのに何の実感もないというのはこれ、実に楽しくない。私が子供の頃に脳に描いていた二十一世紀と比して思うにこれはもう、こうして文字などを書いている時点で相当に間違っているのであって、こんなものは脳から脳へ直接伝…

買います。

スガシカオの生写真と 新しい作品づくりのため、最近の若者たちの趣味趣向をリサーチしておくべきだ、と考えた宮崎駿が、ニット帽、サングラス、胸に「SUMMER」とプリントされたトレーナーといった、自分の中で一番「らしくない」と思う格好で渋谷に繰り出し…

買います。

スガシカオの生写真と 「すごくいいものを拾った」と電話をかけてきた田島貴男の家に、慌てて車を飛ばし駆けつけようとした小西康陽が首都高で横転事故。集中治療室に運ばれる担架の上で閃いたメロディが「東京は夜の七時」であった。という内容を小山田圭吾…

昼の顔

男は崖に立っていたただひとつ ウレタン製の巨大なサイコロを抱えて 通常 男はそのサイコロを他人に振らせているのだけれど 今日は自分で振ってみたたったひとりで パステルカラーのそのサイコロにはそれぞれ文字が書かれていて 「なさけない話」「初恋の話…

炊事

冷蔵庫から引き掴んだ肉なのか野菜なのかもうひとつ判然とせん黒い食材を俎板に並べ、無駄に丁寧に研いだ包丁で、捌く。妙な汁が出るが一向に気にせん様子でなんだったら鼻唄なども交えながらこれを微塵に、刻む。傍らでは鉄鍋から地獄の如き煙を放ち油が煮…