永百輔の ビッグ・バッド・人生訓 #1

『なぁおっさん、学校で習う物事に意味はあるのかい? 俺は虚しくてしょうがないよ。もしあの無益としか思えない時間に何某かの意味があるのなら、俺に教えてくれよ。 p.s. 毎号楽しみにしてるぜおっさん! 木更津市 沼小路浩二』 最初にひとつあなたに申し…

ぬらぬら相撲 #1「二十一世紀型」

まったく二十一世紀になったというのに何の実感もないというのはこれ、実に楽しくない。私が子供の頃に脳に描いていた二十一世紀と比して思うにこれはもう、こうして文字などを書いている時点で相当に間違っているのであって、こんなものは脳から脳へ直接伝…

買います。

スガシカオの生写真と 新しい作品づくりのため、最近の若者たちの趣味趣向をリサーチしておくべきだ、と考えた宮崎駿が、ニット帽、サングラス、胸に「SUMMER」とプリントされたトレーナーといった、自分の中で一番「らしくない」と思う格好で渋谷に繰り出し…

買います。

スガシカオの生写真と 「すごくいいものを拾った」と電話をかけてきた田島貴男の家に、慌てて車を飛ばし駆けつけようとした小西康陽が首都高で横転事故。集中治療室に運ばれる担架の上で閃いたメロディが「東京は夜の七時」であった。という内容を小山田圭吾…

昼の顔

男は崖に立っていたただひとつ ウレタン製の巨大なサイコロを抱えて 通常 男はそのサイコロを他人に振らせているのだけれど 今日は自分で振ってみたたったひとりで パステルカラーのそのサイコロにはそれぞれ文字が書かれていて 「なさけない話」「初恋の話…

炊事

冷蔵庫から引き掴んだ肉なのか野菜なのかもうひとつ判然とせん黒い食材を俎板に並べ、無駄に丁寧に研いだ包丁で、捌く。妙な汁が出るが一向に気にせん様子でなんだったら鼻唄なども交えながらこれを微塵に、刻む。傍らでは鉄鍋から地獄の如き煙を放ち油が煮…

あとがき・2

いやあ、参った。参った。君には到底かなわんよう。などと卑屈な笑みを浮かべながら諂うことは私にとってはまったく苦ではなく、現場が丸く収まるのであれば率先してそうやって口元を異様な角度に曲げ、えへぇ。えへぇ。そのとおりで。と媚び倒し、まったく…

あとがき

世の中は本当に便利になった。というのも先日、プラズマテレビジョンなるものを購入したのだけれどもこれが大変調子がよく、巨大な画面に広がるチャンバラ活劇はこれ自分が斬られてしまうのではないかといった迫力で、ひっ。うわぁ。ぬぬぬぬぬぬ。けけけけ…

饅頭の花

県道をただ歩く俺に向け飛び交う町の者らのがんばれ、がんばれという声援がどういう理由によるものなのかは分からないが、手を振り笑顔を振りまく俺。ぐんぐんぐんぐん歩いていると心も弾む。皆が応援してくれているのだ、と思うと心強く、更にペースを早め…